登記とは一般にいう不動産の名義の事です。不動産は一見誰の持ち物で誰が担保にとっているかが非常に分かりにくいものです。例えば賃貸住宅などは外見だけで所有者が分りません。そこで、日本の法律では不動産の所有名義などの権利関係について法務局に登録し、誰でも閲覧し、写しを交付できるようにしました。これが登記です。
現在、登記は法務局のコンピューターに記録されています。これを登記記録といいます。ちなみに昔は金融ドラマなどでお馴染みの帳簿でした。これを登記簿といいます。こちらのほうが一般的に馴染み深いのかもしれませんね。そして、不動産についての権利を取得した場合には、法務局に申請して初めて登記に名義が入る訳です。この複雑な申請を皆様の代わりに行うのが登記の専門家である司法書士です。
では、登記と自動車などの登録とではどこが違うのでしょうか?自動車などの登録は誰の持ち物かを管理するために行うものです。しかし、登記というのは管理が目的ではありません。登記の目的は「自分がこの不動産にこういった権利を持っている。」ということを世の中に主張する事です。
ちょっと難しくなってきましたね・・・。では、事例を用いて簡単に説明させていただきます。たとえば皆様が不動産を購入しました。しかし・・・登記申請を怠って放っておいたとします。その後売主が自分に登記名義が残っている事をいいことに違う人に売却してしまって名義を移したとします。恐ろしい事にこうなってしまうとあなたは現在の名義人に自分の物であることを主張出来なくなってしまいます。
登記の仕組みや重要性について分かっていただけましたでしょうか?このような事が起こらないように不動産の取引当日に司法書士が立会をして買主・売主両方の書類を手元に預かった上でお金を動かすというのがこの国の慣習になっています。ちなみに法務局が登記を完了した時に交付されるのが権利証です。現在は形が変わって登記識別情報といいます。